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(10)志望校選択の「赤本」勉強、ここに留意


追い込み時期に入ったこの時期、志望校を絞り込まなければなりません。漠然と○○大学、△△大学と候補を考えていた人も、きちんと心を整理し、具体的に受験校を決める段階を迎えています。

大学を選択する際の大きな判断材料の一つに、赤本(過去の出題集)があります。受験生は赤本の出題を選択基準にし、「この大学なら大丈夫かな」「ここはちょっと厳しい」と実力と比べながら、志望校を絞り込むわけですが、頁をパラパラめくっただけで、合格圏か否かを判断する受験生が少なくありません。こうした決め方は、単なる早合点で、乱暴すぎます。試験問題に例えれば、設問を見て「解けそうだ」と感じるのと、時間内に正解を導き出せるかは、まったく別問題だからです。

赤本を志望校絞り込みの判断材料にするときは、入試本番と同じ条件を課して、問題と取り組むことが必要です。その上で、答え合わせした結果、科目ごとに七割くらい正解しているか。そこまでチェックしないと、赤本を参考にしても意味がありません。さらにいえば、その年の設問が、たまたま自分の得意な分野だったという場合もありますから、最低でも過去三年分の問題を解いて、その平均値を見る必要があります。

自分の実力が合格圏に入っていると判断できれば、いわゆる"滑り止め校"として押さえ、さらに上のレベルを目指して努力を継続していくべきです。結論を言えば、志望校の最終決定は、一通りの受験勉強を終え、自分なりに実力が固まった一月か二月初旬になります。赤本を選択基準に、絞り込んだ志望校は、いわば"目安"程度にとらえればよいでしょう。

これまでの例でも、多くの受験生は、冬休みなどに集中する模擬試験や直前の模試で得た偏差値をみて、最終の志望校を決めています。合格実績を見ても、直前の模試偏差値に見合った大学に合格しているのが、通例です。この時期は、志望校確定に神経質になる必要はありません。

赤本は、入試直前三カ月の追い込み時期を迎えた勉強法として、大多数の受験生が徹底して行います。赤本に取り組む注意点は、常に本番を意識することです。時間の配分などを身に付けるのも重要な勉強法で、時間を計って設定時間内に、解く訓練が肝心です。