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(8)本番に備え夜型勉強から朝型に切替え


受験勉強は一年間に及ぶ長期戦。残された時間は、入試本番まで三カ月余り。正念場を迎え、今ひとつ、受験勉強に気持ちが乗らず、集中力が高まらない自分にいらだっている受験生もいることでしょう。そんな人に必要なのが、気持ちの切り替えや環境の変化。グズグズしていると、一週間や二週間はアッという間で、寸暇を惜しまなければならない時間を無駄にしかねません。

私が勧める対応策は、夜型勉強から朝型への切り替えです。受験勉強は「夜」との考え方が定着していますが、まず、その固定観念を捨てることです。確かに、私が受験生だったころも深夜の二時、三時まで勉強しなければ合格できない―と、叱咤激励を受けた記憶があります。何よりも夜遅くまで机に向かっているだけで、「勉強した」という充実感が味わえます。受験生に限らず、効率的な勉強といえば、先人の言い伝えを信じ、誰もが当たり前のように、夜に勉強をしているのだと思います。

しかし、冷静に考えれば、深夜の勉強は、効率的とは言い難い。肉体的にも精神的にも疲労が蓄積した状態で、眠気と闘いながら参考書や問題集に向かっても、記憶力や理解度が高まるはずはありません。その点、早朝の勉強は非常に効率的です。ある研究者の報告によれば、朝一時間は夜三時間の勉強に相当するとの説もあるほどです。疲れた頭で夜に勉強するよりは、さわやかな気分でやる朝の方が、集中力が三倍高まるというわけです。加えて、早朝は生活騒音も少なく、友達からの電話で、集中力を中断させられることもない、といった利点も多い。また、例外なく開始時間が朝である入試を考えれば、夜型が得か、朝型が得かは、言うまでもないでしょう。

ペースダウンに悩んでいる受験生には、夜型中心を改め、早朝勉強法を取り入れることを強く勧めたい。そのような受験生に限らず、計画通りに進んでいる受験生であっても、そろそろ本番を見据えて、体内リズムを入試で最大限の力を発揮する意味からも朝型勉強法に切り替えるべきです。「早起きは三文の得」のことわざ以上の成果を実感するはずです。ただちに、早朝勉強を実践し、多くの夜型勉強法のライバルに、三倍の差をつけましょう。