夏休み中は、高校の補習授業や予備校の夏期講習を活用して基礎学力の養成に努めるべき。前回そう書きましたが、関連して、もう一つ重要なのが、苦手科目の克服です。受験をする場合、苦手科目をそのまま放置しているのは、文字通り致命傷です。とくに得点配分の高い数学や英語が苦手では、話になりません。ですから、授業などの制約を受けない夏休みを活用し、基礎が理解できるまで、しっかり勉強する必要があります。
苦手の要因は、生理的なケースを否定しませんが、基本的には、基礎が理解できていないことに起因しています。ということは、基礎を理解できれば、苦手科目は克服できるはずです。「基礎は理解しているのだが、数学はどうも苦手だ」。そんなことは、まずあり得ません。基礎学力があれば、大方の試験は、平均点は取れるものです。
苦手意識があるとの弁解は、基礎がわかっていない逃げ口実に過ぎません。ですから、まとまった時間がとれる夏休みは、苦手科目克服の絶好のチャンスととらえ、基礎の勉強に集中してほしい。勉強法は、基礎を中心に苦手科目を毎日欠かさず勉強するのがポイント。私は「不得意科の悪循環」と呼んでいますが、苦手科目は、後回しにしがちで、勉強量が少ないのも苦手の一因になっているので、毎日の勉強は、苦手な科目から始めてほしい。英語を例にすれば、単語を一日何個、熟語を何文と決めて暗記に努めれば、毎日繰り返すことで、知らず知らずのうちに基礎力がつき、案外得意な科目になっているかもしれません。
一人で、毎日勉強する自信がない場合は、予備校の夏期講習に参加する方法もあります。予備校の夏期講習は、科目ごとにコース設定されているのが一般的で、苦手科目だけを集中的に選択も可能です。中には、「不得意科目は捨てて得意科目を伸ばした方が受験に有利」という考えの受験生もいます。一理ありますが、入試の合否は総合力で決まることを考えれば、不得意科目をなくすことがやはり近道といえます。もちろん、科目ごとの偏差値にほとんど差がない受験生はこの対象外です。夏休みであっても、配点の多い科目に重点を置く勉強法が重要なのは言うまでもありません。