入試に小論文を課す大学が増えつつあります。これからの受験対策に小論文が不可欠な課題となってきました。小論文が受験対策にとって悩ましいのは、第一に方程式が存在しないこと。それだけに出題傾向もつかめず、数学や国語みたいに、確立された受験勉強法がない点でしょう。
受験生の中には、どんなテーマの小論文が課せられるか、想定できなければ対策をたてようもない、と開き直って、「ぶっつけ本番だ」という人がいます。しかし、受験に無手勝流のぶっつけ本番は通用しませんし、その考えは間違いです。受験は、教科を問わず、日ごろの準備(傾向と対策)は欠かせません。小論文の勉強法では、最初に課題を決め、そのテーマに沿った論理の展開、文章表現力を磨く練習の積み重ねが効果的です。
テーマとする課題は、「学生生活のこと」「人生のこと」「未来の夢」「社会のこと」など。一つに絞らず、四テーマほどをピックアップし、あらゆる角度から、身近な問題について、自分の考えの理論構築を試みる。基本は、テーマに即して明快な論理展開と文章構成ができるようになるまで推敲を重ねること。論文の構成方法は、双括法(新聞記事のように、最初と最後に二つ結論がある文)でも尾括法でも、自分の得意とするやり方で構いません。
要は自分に適した小論文のヒナ形がつくれれば、どんな課題が出題されても柔軟に対応できるようになります。小論文といっても特別身構える必要性はありません。明快な論理展開と文章構成力を身に付ければ、他の入試教科と同じ。得点ポイントである結論の導き出し方、その理論づけに、小論文は勝負の分かれ目があるといわれています。
重要なのは結論の落としどころ。課題とかけ離れた人生観が結論づけだったとしても、論理的な個人の意見であれば、得点につながるのが、小論文試験の特色です。その際、力を発揮するのが、受験勉強で培った"引き出し"。人生問題、学生生活の問題、社会問題、未来観...。取り組んだテーマの数が多い人ほど、的確な結論導入ができるのです。
小論文の受験勉強を通じ、効果的に自分の考えをアピールできる文章表現力を磨きましょう。