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(2)難関校はルートの複雑な山に似ている


志望校の選択にあたっては、過去の出題傾向を検証することが重要。前回、そのような趣旨の原稿を書きました。登山に例えて、その理由をもう少し具体的に説明します。

大学に限らず、受験の難易度に伴う校別ランクが存在します。入学試験では、難関校と中堅校では出題の質が違うので、志望校を決める際は、出題傾向を知ることが重要な意味を持つのです。標高が低く、登山ルートが一本だけの山は、入試に置き換えれば、中堅校以下の出題です。一つの解答法しかないので、迷う余地はありません。問題が解けるか、解けないかの勝負なのです。この大学を受験する場合は、過去における出題率の高い類型問題や入試典型問題を数多く復習することが受験対策になります。

一方、難関校は標高が高く、登山ルートの攻め方が複雑で多岐にわたる山に似ています。登山口(問題を見た段階)で、的確なルートを探し出さなければなりません。ルートを見いだしても崖崩れのような障害が隠れていますし、頂上にたどり着ける道(解答法)は、出題を一見しただけでは分かり難いことが多い。理数系の出題にこの傾向が強く、過去の例では多くの受験生が、これぞと狙いを定めてチャレンジし、立ち往生したら、"次の道"に再挑戦。その繰り返しの中で、どうにか頂上(解答)に到達する。そんな体験をしているのです。

現実には、三通りぐらいの解答方法を身につけておかないと、対応が難しい。その力をつける勉強法は、自分の頭で考え抜く力を養うことに尽きます。一問解くのに二、三時間要してもいいから、自分の力だけで解く努力をしてほしい。安易に正答集を見たりせず、類似の問題はないか、出題の元になった問題は何か、と参考書や問題集を調べる。それをすることで、一番大事な思考のプロセスが組み立てられるようになります。最近は結果を急ぐ受験生が多く、分からないと解答編のヒントや答えをすぐ見る。予備校で「解答方法を教えてほしい」というばかりで、自らアプローチ方法を学び取ろうとしない。基礎段階では有効な手段で、誤った考えではないが、難関校受験に不可欠な強靭な思考力の養成は、それだけではだめなのです。