今年の入試シーズンは終了。同時に新三年生にとっての受験がスタートしました。大学進学を目指す新三年生は「まだ一年も先のこと」と、のんきに構えていては「光陰矢のごとし」です。本番間際になって慌てふためかないよう、今から受験対策に取りかかることを勧めます。
新学期になったら、一年間のスケジュールを決めて、それに沿った受験勉強を心がけるのがベストです。春先は、やる気と自信をもって取りかかるのですが、五月の黄金週間が過ぎたころから、多くの人は、やる気や緊張感がなえてきます。この時期を上手に乗り切れるかが、ハイレベル校に現役合格できるか否かの分岐点です。
どんな勉強法が理想かといえば、机に向かって長時間活字を読み、書く習慣をつけることに尽きます。参考までに、私の予備校では、一日十時間黙して机に向かう習慣をつける"学習道場"を行っています。
もう一つは、学習道場や夏期講習や合宿など、緊張感をもってやり遂げるには、まず、志望校を早く決めることです。目標が定まらないと、「受験勉強を始めなければ」と思っても身が入りません。その意味でも志望校決定が一番大事と言っても過言ではありません。この時期の志望校選択は、難しく考える必要はありません。要は、「行きたい大学」「あこがれの大学」を、とりあえず志望校にすればいいのです。
「早稲田、慶応に行きたいが、夢のまた夢」という人がいるかもしれません。しかし、現在の偏差値は気にすることはありません。進学したい早稲田や慶応を目指して、合格するだけの勉強を一生懸命すればいいだけの話です。難関校であっても、これからの一年間、無我夢中で勉強すれば、夢を現実のものとすることができます。そのためには、春と夏の時期は無味乾燥とも思える基礎固めに専念することです。焦りは禁物です。基礎固めとはほとんどの場合、暗記と手で書いて覚える―を繰り返すことです。
偏差値が低い人は、勉強法を振り返ってみてください。基礎固めを怠っていた結果ではありませんか。根気よく努力すれば、私立文系志望の人は偏差値が二〇も三〇もアップするものです。偏差値に不安のある人こそ、私立文系を志望校にすべきでしょう。