入学試験は本番を迎えた。受験生の不安感と焦りはピークに達し、受験生のいる家庭は、緊張感でピリピリ状態と推察します。「大丈夫だろうか」。入試を目前に、誰もが不安感に襲われるものですが、出願直前になって受験佼を変更する受験生がいます。だが、これは絶対に避けるべきです。その心理は、志望校のレベルを下げることで「偏差値70の学校が目標だったが、65あるいは60に下げれば大丈夫だろう」というわけです。
確かに理論的には、偏差値レベルを下げれば、合格の可能性は高くなるように思えます。でも、それはあくまでも数値のあやで合格確率上のこと。実際は、レベルを下げることで心に油断とスキが生じ、受かって当然だった学校に落ちるケースも少なくありません。レベルを下げれば、自身の気力や気迫も下がるのです。直截に言って、志望校を下げれば、合格できるとの考えは、安易すぎます。「レベルを下げれば...」と考える受験生は、「合格するならばどこでも」との思いがあるようですが、これは禁物。入試に成功するには「何が何でもあの学校に!」という強い意欲が不可欠で、その意欲を試験日まで持ち続けられた受験生が最後に勝利するのです。
とは言っても、入試が目前に迫ってくると、あきらめに似た気持ちになることもあるでしょう。そんな時は、志望校を下見に行くとよいと思います。下見は受験当日の準備になるし、キャンパスの雰囲気を肌で感じることで「この学校で勉強したい」という気持ちが強まるはず。あきらめに傾いていた気持ちもー掃されて、これまで以上に受験勉強に熱が入ること請け合いです。「東大に行きたい」「早稲田に行きたい」と頭で考えているだけでなく、志望校のキャンパスに立ち、学内を行き来する学生たちの姿を見れば、"夢"を現実の形に置き換えられ、受験意欲はいや応なく高まってきます。
受験生によく話していることに「大砲の理論」というのがあります。大砲をAに定めて発射するとBに当たり、Bに定めるとCに当たるのです。地球には重力があり、常に目標より高い所に筒を向けないと、目標に当たらないのです。入試も同じ。どんなに不安感にかられようとも、志望校レベルを下げるのだけはいけません。